1つの板の長さを1とする。
これらを右のように積み上げる。
(1) 全体の長さ(全長)は、どこまで長くなるかな?
(2) 板がもっとたくさんあったら、どうだろ?
無限個積み上げたら、どこまで長くなるんだろ?
崩れちゃダメだよ。
(1) の《答え》
下から上に積み上げるんじゃなくて、上を先に置いて下へ下へと差し込んでいく発想でやってみよう。
各板の重心は長さの中央、すなわち両端から 1/2 の位置にある。
まず、2つの板を積み上げる場合を考える。上の板の重心が、下の板の上にあれば良い。全長が最大になるのは、右上図のように上の板の重心が下の板の端の真上にきたとき。
その2つの板を1つの物体と考えると、その重心は元の2つの板の重心の中央になる。
次に、その下に3つ目の板を差し込むと考える。なるべく長くなるように、かつ崩れないようにするためには、上2つの重心が一番下の板の端に来るように乗せれば良い。
このときこの「3枚の板の重心」がどこにあるかというと、「上2つの重心」と「下1つの重心」を 1:2 に分ける位置である(重さの比が 2:1 だから)。
最後に、さらにその下に4つ目の板を差し込むと考える。先ほど求めた「3つの板の重心」が一番下の板の端に来るように乗せれば良い。
このとき板の全長が最も長くなる。その値は、
- 1+1/2+1/4+1/6=23/12
である。
(2) の《答え》
(1) の考え方 を続けて板を5枚目、6枚目と増やしていくと、右図のように全長 L は少しずつ確実に長くなっていきます。
L=1+1/2+1/4+1/6+1/8+1/10+…
さて、この値は限りなく大きくなるのでしょうか? それとも、上限が決まっているのでしょうか?
ここで結論を言ってしまうと、実は L は限りなく大きくなります。すなわち L は無限大になります。高校数学Ⅲの用語を使うなら、「収束」せずに、「発散」します。
説明しましょう。
《解1》
L=1+1/2(1+1/2+1/3+1/4+1/5+…)
ですから、
L'=1+1/2+1/3+1/4+1/5+1/6+1/7+1/8+…
について調べましょう。
L'=1+1/2+1/3+1/4+1/5+1/6+1/7+1/8+…
>1+1/2+(1/4+1/4)+(1/8+1/8+1/8+1/8)+…
=1+1/2+ 1/2 + 1/2 +…
右辺 1+1/2+1/2+1/2+… は限りなく大きくなりますから、それより大きな L' も限りなく大きくなります。こうして L=1+L'/2 も限りなく大きくなる(無限大に発散する)ことがわかります。
《解2》
L' が限りなく大きくなることは、次のように説明することもできます。
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