「論理式」の授業1回目、前半。
◇ 4つのパーツ
一例を挙げて、一般化して、論理式の真理値を定義する。真を1で、偽を0で表す。
※「雨天中止」と言った場合、
「晴天(雨天でない)の場合にどうするか?」には何も触れていない。
だから、晴天の場合には中止してもしなくてもウソを言ったことにはならない。
よって、右端の表の3行目と4行目は真である。
◇ 集合のベン図 と 電気回路
直感的にも把握しよう。
※ 電気回路の図において、
スイッチが P , Q にあたり、電球が論理式 P∧Q , P∨Q , ¬P にあたる。
P , Q がなりたつときスイッチを on に、なりたたないときスイッチを off にすると、
それぞれの論理式が真のとき電球がつき、偽のとき電球がつかない。
(上図はすべてのスイッチが off の状態)
○ if 条件の具体例(ベン図でも理解しておこう)
命題 「x が 4 の倍数 ⇒ x は偶数」は 真
命題 「x が素数 ⇒ x は奇数」 は 偽
◇ 日常感覚とのズレ
○ and 条件
<順接と逆接を区別しない>
「金持ちで、そしてケチ」┐
「金持ちだけど、ケチ」 ┴─→ どちらも P∧Q
<順番を区別しない>
「レストランに行って、ごはんを食べる」┐
「ごはんを食べて、レストランに行く」 ┴─→ どちらも P∧Q
○ or 条件
<日本語の「または」には2種類ある>
A:コーヒーにしますか? 紅茶にしますか?(食後に コーヒー または 紅茶 がつく)
B:じゃぁ、両方!
A:… → 論理式の ∨ では「両方!」はアリだが、日本語的にはそうとは限らない。
○ not 条件
<P と ¬P で世界を二分する>
・ P∨¬P (P と ¬P でモレがない)
・ ¬(P∧¬P) (P と ¬P はかぶらない)
・ つまり、グレーゾーンは考えない。
(現実にはグレーゾーンこそが問題になるのだが)
○ if 条件 (1)
命題「x>5 ならば x>3 である」は 真 。
「x がどんな数であっても」 なりたつのだから、
→ x=7 を入れて、「7>5 ならば 7>3 である」も 真
→ x=4 を入れて、「4>5 ならば 4>3 である」も 真
→ x=1 を入れて、「1>5 ならば 1>3 である」も 真
○ if 条件 (2)
<「ならば」は因果関係を表すものではない>
・命題「暑くなる ⇒ アイスが売れる」 … ① が 真 なら、
対偶「アイスが売れない ⇒ 寒くなる」… ② も 真 。
①には因果関係があるように見えるが、②には因果関係は無い。
・つまり、論理は包含関係を表すが、因果関係を導かない。
(原因は、論理の外で探すもの)
※ これらのズレが混乱のもとなので、最初に話しておく。
「そんなもんなんだな」と思えばそれでよい。
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