中国の九寨黄龍空港から黄龍までのタクシー運賃は300元です(1元≒20円)。50km超の道のりで所要1時間強だから仕方ないのですが、けっこう高い。
夕方に空港に着いて、黄龍までタクシーをシェアしてくれる人を探したら、いました。北京から来た若い男性2人組。彼らも同乗者を探していました。こうして3人で黄龍まで割り勘でタクシーに乗ることにしました。
では、ここで【問題】です。この3人はタクシー代をいくらずつ出し合うべきでしょうか? 合理的な考え方ならびにそのときの各人の支払額を、3通り示してください。
では、答えを示しましょう。
《解答1》これがもっともシンプルな答えでしょう。でも、合理的な負担額は他にもあります。
3人が均等に同じ額を負担する。その額は 300元÷3人=100元ずつ。
《解答2》あと1つは難しいかもしれませんね。でも、なんとかひねり出してください。
もともと負担するはずだったのと同じ割合で負担する。シェアせずに別々にタクシーに乗ったとすると、私の負担額は300元。北京組の2人の負担額はそれぞれ150元ずつ。比率は 2:1:1 です。それと同じ割合で合計300元を負担すると、私は150元、北京組の2人はそれぞれ75元ずつ 負担すればよいことになる。
《解答3》以上3つの場合を比べてみると、私の負担が一番小さいのは《解答1》ですね。反対に私の負担が一番大きいのは《解答3》です。この場合ですと、おそらくもっともシンプルな《解答1》に落ち着くのではないでしょうか。でも、他のやり方もあるのです。北京組の2人はそのことに気づいていたのでしょうか?
別々にタクシーに乗った場合に比べて、シェアすることで浮いた金額を3人で均等に分ける。まず私が300元、北京組の2人が150元ずつ出し合います。このうち300元をタクシー代として支払って、残った300元を3人で均等に100元ずつ分けると、最終的に 私は200元、北京組の2人は50元ずつ 負担することになる。
ここで白状します。実際の経験をもとに【問題】を作ってみましたが、実は数字を少々調整しました。旅行情報として不正確ではいけないので、正しい数字を出しましょう。
空港から黄龍までのタクシー代は「昼間260元、夜間400元」です。これが2015年8月時点の公定料金です。タクシー乗り場の看板にもそう書いてありましたから、ボラれたとかそういうことではありません。
私たちが九寨黄龍空港に着いたのは夕方で、夜間料金の時間帯でした。それからタクシーで黄龍に向かうと、運転手は夜道を帰ることになりますから、まぁ妥当なところでしょう。
こうして3人で400元を負担することになって、その額は 3 で割り切れませんし、シェアするメリットが最も大きいのは私でしたから、切りのいいところで結局私は150元払いました。残り250元を北京組の2人で割れば125元ずつになります。いい線なんじゃないかと私は思っていますが、いかがでしょうか。
では、追加でもう1つ【問題】をいきましょう。
上の【問題】ならびに《答え》からどんな教訓を得ますか? 3つ挙げてください。1つ目の問題には複数の答えがありましたが、この2つ目の問題にはもっとたくさんの答えがありそうです。1問目も2問目も1つか2つまでは答えがすぐに出るでしょう。でも、そこからが面白い。さらにあと1つ、2つをひねり出そうとするところから頭がよく廻り始めます。
「教訓」なんて言葉を使っちゃいましたが、気楽に考えてください。1問目に取り組んでみて、気づいたこと、考えたことなどあったのではないでしょうか。そういうものを言葉にして、気の利いたフレーズを作ってくれればOKです。
あるいは《答え》のような見方が役立つ場面を想定しませんでしたか。そういうものがあれば、斬新な見方を披露していただいてもかまいません。3つと言わず、4つでも5つでも、どんどん書き出してみれば思考は広がります。
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