2019年4月8日月曜日

シェア・タクシーの運賃をどう割り振るか?(考察編)

 上で次の【問題】を出しました。
 中国の九寨黄龍空港から黄龍までのタクシー運賃は300元です(1元≒20円)。50km超の道のりで所要1時間強だから仕方ないのですが、けっこう高い。
 夕方に空港に着いて、黄龍までタクシーをシェアしてくれる人を探したら、いました。北京から来た若い男性2人組。彼らも同乗者を探していました。こうして3人で黄龍まで割り勘でタクシーに乗ることにしました。
 では、ここで【問題】です。この3人はタクシー代をいくらずつ出し合うべきでしょうか? 合理的な考え方ならびにそのときの各人の支払額を、3通り示してください。
その《答え》はすでに書いたように次の3つです。
《解答1》 3人が均等に同じ額を負担する各人100元ずつ
《解答2》 もともと負担するはずだったのと同じ割合で負担する
       → 私は150元、北京組の2人はそれぞれ75元ずつ
《解答3》 シェアすることで浮いた金額を3人に均等に分ける
       → 私は200元、北京組の2人は50元ずつ。
そして 昨日、もう1つ【問題】を出しました。
 上の【問題】ならびに《答え》からどんな教訓を得ますか? 3つ挙げてください。
ここで、ちょっとおしゃべりをしましょう。(こうしてまたいつものように答えを引っ張るわけですが)
 中国の通貨単位は「元」ということになっていますが、中国の紙幣には「圓」と書いてあります。「圓」は「円」の旧字体です。またその発音は「イェン」です。つまり、「円」なのです。
 東アジア各国の通貨について、表にまとめてみました。

国・地域単位コード紙幣の表記通貨記号
日本JPY
中国CNY
韓国ウォンKRW(ハングルのみ)
台湾ドルTWDNT$
香港ドルHKDまたはHK$
ベトナムドンVND(アルファベットのみ)d

 台湾の紙幣にも「圓」と書いてあります。香港の紙幣は発行銀行によって「圓」か「元」のどちらかです。韓国では漢字の使用をやめましたので現在の紙幣にはハングルと英語しか書いてありませんが、ウォンを漢字で書くとやっぱり「圓」です。ベトナムも今では漢字を使っていませんが、「ドン」という音も「エン」または「イェン」と似ています。
 ちなみに他の近隣の国々は違いますよ。モンゴルはトゥグルグ、ミャンマーはチャット、タイはバーツ、ラオスはキープ、カンボジアはリエルですから、音からしてまるで違います。
 こうして見ると、東アジア一帯の通貨は「円」も「元」も「ウォン」も「ドン」も、要するに全部「円」なのです。1つの文化圏なんだなぁと思う。「円文化圏」です。

 さて、2つ目の【問題】に戻りましょう。「1つ目の【問題】ならびに《答え》からどんな教訓を得るか?」、思いつくままにどんどん書いてみます。
  • 正解が1つとは限らない。
    ワン・パターンの答えしか思いつかないと、損するぞ。
  • 筋が通った解決法はいくつもある。
    (でもどこかに落とさなければいけないから、そのために裁判という制度がある)
  • 1つか2つ思いついた後に「他には?」と考えるところから頭が廻りはじめる。
    (だから「3つ」挙げたい)
  • 1つの答えを見つけてそれを言い張る人をクレーマーという。
    (クレーマーが言ってることは正しいんです。ただ想像力が欠けているだけです)
  •  ・・・
こんなんでどうでしょ?


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