2019年4月8日月曜日

シェア・タクシーの運賃をどう割り振るか?(問題編)

 私、2015年の夏休みに中国の九寨溝と黄龍に観光に行ってきました。一人旅です。そのときの実話をもとにした【問題】です。
 中国の九寨黄龍空港から黄龍までのタクシー運賃は300元です(1元≒20円)。50km超の道のりで所要1時間強だから仕方ないのですが、けっこう高い。
 夕方に空港に着いて、黄龍までタクシーをシェアしてくれる人を探したら、いました。北京から来た若い男性2人組。彼らも同乗者を探していました。こうして3人で黄龍まで割り勘でタクシーに乗ることにしました。
では、ここで【問題】です。この3人はタクシー代をいくらずつ出し合うべきでしょうか? 合理的な考え方ならびにそのときの各人の支払額を、3通り示してください。



 みなさんが考えている間に、補足説明しましょう。
 中国四川省の標高3000mの山の中に九寨溝という観光地があります。そしてその近くに黄龍という、もう一つの観光ポイントがあります。近いと言っても車で3時間の距離ですが。
 多くの旅行者は九寨溝の方に滞在します。そこはホテルがたくさん立ち並んでいて、ちょっとした街になっています。そして、九寨溝から日帰りで黄龍に出掛けます。一方、黄龍にホテルは少ない。すなわち、九寨溝がよりメジャーで、黄龍はいわばおまけのような存在になっているということです。
 でも私は黄龍の方により魅力を感じましたし、九寨溝からの日帰り客が少ない朝夕の時間帯を狙って、黄龍のホテルに泊まることにしたわけです。北京からの2人組も同じように考えたのかもしれません。
 そういう状況ですから、九寨黄龍空港に降り立った観光客のほとんどは九寨溝に向かうわけです。九寨溝方面にはバスも出ています。ところが、マイナーな選択をした私たちは移動手段でちょっと苦労したわけです。

 上の【問題】、ゲーム理論 系の問題です。ゲーム理論は社会学(経済・政治・法律など)を学ぶ学生にとっては必須項目ですね。進化論や情報ネットワーク論で使うこともあるそうです。私はタクシーの中で上の問題を実際に考えていました。
 ちなみにゲーム理論のことを中国語では「博奕论」といいます。中国語の「论」は「論」の簡略体です。また、かつての日本では「博打」のことを「博奕」と書くこともあったそうです。ということは、中国語の「博奕论」は、要するに「博打論」ということになります。
 「博打論」というとなんだか「賭け事必勝法」とか「いかさまの手口、教えます」みたいないかがわしさが漂います。でも、「ゲーム理論」といったところで「コンピュータ・ゲームの攻略法」みたいなものを想像する人も多いでしょう。そう考えると、「博打論」より「ゲーム理論」の方がマシだとも言い切れません。「ゲーム」というときの楽しいイメージより、「博打」の真剣勝負のイメージの方がぴったりのような気もします。

 ところで、実際に私がいくら支払ったのかというと、○○○元を北京組の彼らに手渡して「後はよろしく」と。彼らはそれで納得してくれたようでしたが、それが唯一の答えではありません。他にも合理的な答えが複数あります。というわけで、3通り示してください。
 あっそうそう、3つと言わず、4つでも5つでもいいですよ。私は3つしか思いつかなかったわけですが、私が思いつかなった答え、大歓迎です。


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