2019年3月25日月曜日

図解モデルの基本形

「モデル化とシミュレーション」の授業4回目。右の2つが<図解モデルの基本形>です。

<基本形1>を数式で書くと
◇ フロー = 定数
となり、グラフは「1次関数(直線)」になります。

<基本形2>を数式で書くと
◇ フロー = ストック×定率
となり、グラフは「指数関数」になります。
 定数・定率が正のときは、どちらも限りなく増え続けるグラフになります。
(現実には無限に増え続けるものはあまりなくて、ある値に収束したり、やがて減少に転じたりするものが多いのですが、それについてはこのカリキュラムの後の方で扱います。「S字カーブ」と「うわさ終息曲線」をどうぞ)
     <トライアル3-1
<基本形1>と<基本形2>のグラフを描いてみよう。
セルC2に初期値(たとえば10)を入れ、セルC3に「=C2+B3」を入れて下方向にコピーします。ここまでは<基本形1>でも<基本形2>でも共通です。
 その上でセルB3にたとえば20を入れれば「直線」になり、セルB3をたとえば「=C2*0.3」とすれば「指数関数」になります。
 自分で実際にやってみて、グラフを確認するとともに「図解モデル→数式モデル→エクセル関数式」のつながり具合をつかんでください。

 ところで、基本形だけでは単純すぎて出来ることが限られますが、ちょっとアレンジして使ったり、2つの基本形を同時に使ったりすることで、結構なものが作れるようになります。
     <サンプル
毎年一定額を銀行に預けるときの預金残高の推移
シンプルに考えると、右のような図解モデルで表せます。<基本形1>と<基本形2>を1つずつ組み合わせただけです。この場合、数式モデルは、
◇ 預入れ=定額
◇ 利子=預金残高×利率
となります。
 ただ、複雑に考えるとキリがありません。「いくら積み立てるのか、預け入れの期間はどれくらいか、利率は何%か、固定金利なのか変動金利なのか。さらには、銀行が倒産したらどうするのか・・・」などなど、考えることはいくらでもあります。
 ポイントは「必須の要因だけを残して、他はなるべくシンプルにする」ことです。さて、この場合、絶対に外せない要因とは何でしょうか?それは、利子がつくことです。それ以外のことは、外しても「銀行預金」のモデルになりえます。けれども、利子を外したら「銀行預金」のモデルになりません(銀行にお金を預ける意味がない)。一方で、変動金利とか、銀行強盗とか、倒産とか、・・・それらは外していいわけです。
 ですから、利率以外のことはなるべくシンプルにいきましょう。「毎年1回同じ日に同じ額を、固定金利で預金する」ことにすればいいのです。


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