2019年4月22日月曜日

☆ 確率名人への道

 確率名人になるための練習問題を5題取り上げます。【1】は簡単でしょうけれど、私はここで「場合の数の数え方」と「確率の数え方の違い」が実はまるで違うことを明らかにします。ですから話をしっかり聞いてください。
 その後で練習問題をあと4題出します。それぞれ設問はシンプルです。でも、出来そうで出来ない問題ばかりだと思います。実際なかなか正解にたどり着かないでしょう。なんらかの値は出るでしょうけれど、解いたあなた自身も合っているという確信を持てないでしょう。いや、出来たと思っても、答え合わせをすると間違っている場合が多いと思います。
 場合の数・確率の問題は意外と難しいのです。理由は単純。基礎が甘いからです。具体的に言うと「何を区別して、何を区別しないか」の自覚が足りないからです。でも、安心してください。この5題をやれば、確率音痴だったあなたが確率名人になります。



【1】 1円玉、10円玉、100円玉が3枚ずつ、全部で9枚ある。この中から3枚とる。
  (1) 異なる金額は全部で何通りあるか。
  (2) 3枚の合計金額が111円になる確率を求めよ。

【2】ひもが3本ある。両端6個を2つずつに分けて3回結ぶとき、大きな1つの輪ができる確率を求めよ。
(名古屋市大 2000年)

【3】1組のトランプの絵札(ジャック、クイーン、キング)の合計12枚の中から任意に4枚の札を選ぶとき、ジャック、クイーン、キングの札がそれぞれ少なくとも1枚選ばれる確率を求めよ。
(北海学園大 2002年)

【4】四面体ABCDの各辺はそれぞれ確率 1/2 で電流を通すものとする。
  このとき、頂点Aから頂点Bに電流が流れる確率を求めよ。
  ただし、各辺が電流を通すか通さないかは独立で、辺以外は電流を通さないものとする。
(東京大 1999年)

【5】縦横の長さの比が1:3の長方形の板がある。この板を両面とも下図のように線で区切り、できた6つの正方形のそれぞれに赤または白の色を塗ることにする。塗り終えた板において回転や裏返しで同じ塗り方になるものは区別しないとするとき、塗り方は何通りあるか求めよ。ただし、各正方形には1つの色を塗るものとする。
(東北大 2014年)



《解説・解答》は以下をご覧ください。

【1】 場合の数の数え方と確率の数え方の違い 
【2】 ひもを結ぶ問題、前半戦 
        └──→ 後半戦
【3】 だまされやすい確率 
【4】 気づきにくいダブりとモレ 
【5】 数学でアクティブ・ラーニング例 

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