2020年7月26日日曜日

もったいないのココロ

「もったいない」とはもともと「おそれおおい」や「ありがたい」と同じような意味合いの言葉だった。最近では「物を無駄にしない」とか「節約する」という意味で使うようだが、もともとの使い方はちょっと違う。

  ◇ 畑でとれたものは神様から頂いたもったいないものだから、
    粗末に扱っちゃいけない
  ◇ 熊の体は熊が人間にくれたもったいないものだから、
    肉も皮も毛もすべて大事に使わせてもらおう
  ◇ 鎌(かま)や鍬(くわ)は農作業に使うもったいない
    ものだから、足でまたいじゃいけない

 この言葉、すべてに神が宿ると考える日本人の感性に由来する言葉である。だから、時には無駄使いに見えるような行為にもなる。

  ◇ 食事のたびにもったいないご飯を神棚に供える
  ◇ 収穫物からできたもったいないお酒を庭にまく
  ◇ 自分の修養のために使わせてもらったもったいない道具を燃やして神様に返す

 もともとの意味合いでは、捨てるという「行為」がもったいないのではない。神様が宿ったその「物」がもったいないのである。極めて日本人的な言葉である。

大人の相対的貧困率(1)2019年

 (図1)は厚生労働省のサイトで公表している「世帯の所得の分布」(2019年)のグラフです。ただし、一部、文字を伏せているところがあります。
 (ア)と(イ)には「平均値」と「中央値」のどちらかが入ります。さて、(ア)と(イ)のどちらが「平均値」でしょうか、どちらが「中央値」でしょうか。また、「最頻値」はいくらでしょうか。

厚生労働省のサイト(→ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf )より

 まず一番わかりやすいのは「最頻値」でしょう。値が最も多くなるところ、すなわち棒の高さが最も高いところ、この場合は「200万円〜300万円」がそれに当たります。数学の教科書的には、その幅の真ん中の値をとって、最頻値は「250万円」となります。
 次に「平均値」と「中央値」について考えてみましょう。グラフに各所得区分ごとの割合が書いてありますから、上から順にもしくは下から順に足していけば、中央値がおよそわかります、平均値については2000万円以上が一括りになっているために、グラフから平均値を求めることはできません。
 それはそうと、平均値と中央値ではどちらが上でどちらが下でしょうか。グラフの形から判断してください。
 答えは、グラフの下の方、すなわち「437万円が中央値」で、グラフの上の方、すなわち「552万3千円が平均値」です。グラフの右の方、すなわち少数だけれども非常に高額の所得を得ている人たちがいる影響で、平均値は中央値より大きくなります。
 端的に言えば、少数の大金持ちが平均値を釣り上げているわけです。でもその人たちの人数は少ないですから、中央値にはほとんど影響を与えないのです。

平均値552万円
中央値437万円
最頻値250万円
相対的貧困率20%
   ところで、最近「相対的貧困率」という言葉を聞くようになりました。皆さんもテレビなどで「子供の6人に1人が相対的貧困」という言い方を聞いたことがあるでしょう。
 ところで「相対的貧困」とはどういうものかというと、世帯の所得などが全体の「中央値の半分以下」であることをいいます。ということは、全体がどれだけ豊かになろうと、豊かさにバラツキがあれば、必ず相対的貧困は存在することになります。
 でも冷静に考えてみると、「子供の6人に1人が相対的貧困」と言われても、その数字が大きいのか小さいのかよくわからない。それがどれだけ大変なことか、あるいはそうでもないのか、実はよくわからない。
 では、上の所得グラフから「中央値の半分以下の割合」を求めてみましょう。中央値437万円の半分は218.5万円で、その割合はおよそ20%。これが所得が中央値の半分以下の世帯の割合とみなすことができます。
 これをもって相対的貧困率としてもよいでしょう。「子供の」というより「大人の相対的貧困率」と言ってもよいものでしょうけれども、「家計の所得」を元に計算すると、「5人に1人が相対的貧困」ということになります。

大人の相対的貧困率(2)2019年

 他の資料も見てみましょう。2つ目の資料は総務省統計局のサイトで公表している「二人以上の世帯の貯蓄額の分布」(2019年)です。

 (図2)のグラフから「中央値の半分以下の世帯の割合」を求めてください。

総務省統計局のサイト(→ https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_gai2.pdf )より

 先ほどの「所得」の分布より極端ですね。平均値はグラフに書いてあるように1755万円ですが、ピークはグラフの一番左の「100万円未満」です。すなわち最頻値は「50万円」となります。
 さて、中央値はいくらでしょうか。また、このグラフから「大人の相対的貧困率」を求めるといくらになるでしょうか。
平均値1755万円
中央値967万円
最頻値50万円
相対的貧困率31.5%
   下から順に割合を足していくと、1000万円までで50.5%となります。つまり中央値は約1000万円とわかります(総務省統計局のサイトによると「貯蓄0世帯を含めた中央値は967万円」です)。
 その半分は約500万円。グラフから500万円以下の割合を足すと、31.5%ですから、「ほぼ3世帯に1世帯が相対的貧困」ということになります。この数値を見ると、「子供の相対的貧困率」は「大人の相対的貧困率」に比べてむしろ少ないという見方もできますね。

2020年7月17日金曜日

東大入試数学理系2002より

 N を正の整数とする.2N 個の項からなる数列
   { a1 , a2 , …… , aN , b1 , b2 , …… , bN }
を
   { b1 , a1 , b2 , a2 , …… , bN , aN }
という数列に並べ替える操作を「シャッフル」と呼ぶことにする.並べ替えた数列は b1 を初項とし,bi の次に ai ,ai の次に bi+1 が来るようなものになる.また,数列 { 1 , 2 , …… , 2N } をシャッフルしたときに得られる数列において,数 k が現れる位置を f(k) で表す.
 たとえば,N = 3 のとき,{ 1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6 }  をシャッフルすると{ 4 , 1 , 5 , 2 , 6 , 3 } となるので,f(1) = 2 , f(2) = 4 , f(3) = 6 , f(4) = 1 , f(5) = 3 , f(6) = 5 である.

(1) 数列 { 1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6 , 7 , 8 } を3 回シャッフルしたときに得られる数列を求めよ. 
(2) 1≦k≦2N を満たす任意の整数 k に対し, f(k)−2k は 2N+1 で割り切れることを示せ. 
(3) n を正の整数とし,N = 2n−1 のときを考える.数列 { 1 , 2 , 3 , …… , 2N } を 2n 回 
   シャッフルすると,{ 1 , 2 , 3 , …… , 2N } にもどることを証明せよ.



(1)元の並び    → { 1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6 , 7 , 8 }
   シャッフル1回 → { 5 , 1 , 6 , 2 , 7 , 3 , 8 , 4 }
   シャッフル2回 → { 7 , 5 , 3 , 1 , 8 , 6 , 4 , 2 }
   シャッフル3回 → { 8 , 7 , 6 , 5 , 4 , 3 , 2 , 1 }

(2)1≦k≦N のとき   f(k)=2k   より f(k)−2k=0
    N+1≦k≦2N のとき f(k)=2(k−N)−1 より f(k)−2k=−2N−1
   どちらも 2N+1 の倍数。

(3) (… これは、証明よりも、結論を楽しめば良いことにしましょう)

2020年7月16日木曜日

オンライン授業(9回目)「円周率」

 オンライン授業9回目のテーマは「円周率」です。授業との関連では「三角比」が絡みます。
 実は 7/11(土)の放課後に旧図書館(※)で生徒の何人かに付き合ってもらって収録したのですが、品質が伴わず、やむなく家で一人で再録しました。原因はいくつかあるのですが、一番の原因は「授業の中身が弱かった」から。その反省をもとに、中身をより充実して録画をアップしました。
◇ 人はなぜ円周率に熱くなるのか?
  ├ そもそも円周率とは?
  ├ 東大の過去問から(三角比)
  └ 円や球に現れる意外な真実
ご覧あれ(→ https://youtu.be/-9nNC8ms1BI )。
(※ 旧図書館:建て替えのため現状は空っぽで廃墟のよう?)

2020年7月14日火曜日

☆ 合同式

◇ 「13日の金曜日」の定理
 (→ https://omori55.blogspot.com/2019/04/13.html )
◇ ピタゴラス数は3,4,5の倍数から成る
 (→ https://omori55.blogspot.com/2020/07/blog-post_11.html )
◇ 
 (→ )

2020年7月13日月曜日

★ 人はなぜ円周率に熱くなるのか?

 何千年も前から人は「円周率の大きさをより精度良く求める」ことに精を出してきた。そしてその動きは今も続いている。
 時を経て、円周率がいろんな場面に立ち現れることを人は知り、そして世界に潜む円周率を探し出し、炙り出すことに熱を上げるようになった。
 3月14日に結婚して「円周率と同じように、私たちの愛は永遠に続く」と言ってるカップルがいた。私は「πラジアン=180°、つまり半周分だ」と言ってやった。

◇ 円周率とは?   (→ https://omori55.blogspot.com/2019/03/blog-post_478.html )
◇ 東大の過去問から (→ https://omori55.blogspot.com/2020/07/blog-post_7.html )
◇ お年玉問題    (→ https://omori55.blogspot.com/2019/03/blog-post_855.html )
◇ 輪切りスイカの原理(→ https://omori55.blogspot.com/2019/03/blog-post_197.html )

 すなわち円周率は、我々の歴史であり、友であり、人生の指針でもある。